(独)国立環境研究所は11月27日、米国の大手航空機メーカー、ボーイング社が次世代中型ジェット旅客機「ボーイング787」を使って行っている「Eco Demonstrator(エコ実証機)フライトテスト」に気象研究所などと共同で参加すると発表した。
参加するのは、環境研、気象研、(株)ジャムコ、日本航空(株)、JAL財団の5者。2003年から共同で航空機による大気観測プロジェクトを進めている。今回は、①飛行中の外気の二酸化炭素(CO2)濃度を連続して測定する「CME(CO2濃度連続測定装置)」、②12地点の上空の外気を採取する「ASE(自動大気採取装置)」、③メタンガスの濃度も連続して計測できる「MME(温室効果ガス連続測定装置)」の3種類の測定機器を搭載する。
ボーイング社のエコ実証機プログラムは、より環境にやさしく効率的な航空技術の実証を目的に2011年からボーイング737型機で始まり、それに続いて今年から「787-8」型機のエコ実証機フライトテストで、25以上の新技術のテストが計画されている。
CMEとMMEで計測したデータは、機上の装置に保存し、さらに一部は気象データと一緒にリアルタイムで地上に伝送する。また、ASEによる上空の大気採取は、北アメリカ大陸の西海岸を南北に飛行するルートで行い、その採取した大気サンプルから各種の温室効果ガスの濃度測定を行う。