測位衛星の高精度軌道・時刻をインターネットで配信
:宇宙航空研究開発機構(2014年9月11日発表)

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月11日、測位衛星の軌道と時刻のリアルタイムインターネット配信を同日から開始したと発表した。複数の衛星測位システムに対応し、衛星の軌道と時刻を高精度で推定する、同機構が開発した「MADOCA」と呼ぶソフトウエアで作成した情報「MADOCAプロダクト」の提供を開始したもの。これにより、高精度な即位に利用できるようになる。

 JAXAは、測位衛星を使って10cm以下の精度で自分の位置を知ることができるようにする測位技術の開発に取り組んでいる。

 それには、測位衛星の軌道を数cmの精度で正確に推定できるようにすることが必要とされ、その実現を目指しているのがMADOCA。JAXAはこれまでも2010年に打ち上げた準天頂衛星「みちびき」の実験信号を使ってMADOCAプロダクトの配信を行っていた。

 しかし、「みちびき」を利用する方式には、「みちびき」が上空にある可視時間だけしか利用できないという問題があった。

 今回の配信は、それを解決するもので、米国の「GPS」やロシアの「GLONASS」などの即位システムにも対応しており、「みちびき」の可視時間にとらわれることなくMADOCAプロダクトを利用でき、都市部や山間部での即位が可能となるとしている。

 MADOCAプロダクトの利用については、自動車の自動走行や農機の自動制御、防災分野への応用研究などが進められており、今回の配信でそうした研究が今後一層進展するものとみられる。

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