大型の斜面模型使い降雨時の土砂崩れ実験を公開
:防災科学技術研究所(2014年8月7日発表)

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今回の実験と同様の斜面崩壊実験例。赤い丸の部分に地表面変位計や圧力式水位計、各種センサーが設置される(提供:防災科学技術研究所)

 (独)防災科学技術研究所は8月7日、つくば市(茨城)天王台の同研究所内にある大型降雨実験施設を使っての土砂崩れ実験を8月22日に行い、関係機関や報道陣に公開すると発表した。

 降雨時の土砂災害で最も発生しやすいのが土砂崩れと呼ばれる斜面の表層崩壊。今回の実験は、表層崩壊の内部メカニズム解明のため、公益社団法人・日本地すべり学会と協力して、同研究所が持つ自然の降雨状態を再現する降雨装置としては世界最大級の大型降雨実験施設内に、変位や水分量、地下水位などを計測する各種のセンサーを組み込んだ長さ7m、高さ5m、幅9m、土の厚さ1mという大型斜面模型を構築して実施する。

 実験では、大型斜面模型に時間雨量(1時間当たりの降水量)100mmに相当する“人工降雨”を連続して崩壊するまで散水し、平常時から崩壊時までの斜面の動きを計測する。

 台風による土砂災害が各地で発生し、市町村から発表される住民への避難勧告や避難指示のタイミングが課題の一つになっている。その課題を解決するには、センサーによる斜面のモニタリングが有効とされていることから、今回の斜面崩壊実験で得られる斜面内部の情報は「重要な指標になることが期待できる」と同研究所はいっている。

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