研究員が第39回井上春成賞を受賞
:産業技術総合研究所(2014年7月25日発表)

 (独)産業技術総合研究所は7月25日、同研究所先進製造プロセス研究部門の明渡 純首席研究員が「第39回井上春成(はるしげ)賞」を受賞したと発表した。

 この賞は、(独)科学技術振興機構(JST)の前身の一つである新技術開発事業団の初代理事長で工業技術庁初代長官であった井上春成(いのうえ・はるしげ)氏が、わが国の科学技術の発展への貢献をたたえ、新技術開発事業団の創立15周年の記念として創設したもの。大学や研究機関などでの独創的な研究成果で、企業化した技術に対して井上春成賞委員会(科学技術振興機構)から贈られる。

 今回の受賞対象となったのは、「常温衝撃固化現象を用いたエアロゾルデポジション技術の実用化」研究で、これの企業化開発を進めたTOTOファインセラミックス(株)の佐伯義光社長とともに受賞した。

 明渡主席研究員は、エアロゾルデポジション法の基礎技術を構築し、その後、製膜メカニズムの解明や最適な原料粒子特性条件に関する知見を得た。TOTOファインセラミックスと共同で半導体製造関連装置の構造部材用コーティング技術の開発を進め、600mm角の大面積高速成膜装置による量産化技術を確立した。TOTOでは、2008年からプラズマ耐食部材を事業化し、現在、新規部材では世界シェア50%にもなっている。

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