国土交通省の国土技術政策総合研究所は7月25日、下水を流下させる地下水路である「下水道管きょ」の古くなったものを更生する「管きょ更生工法」の初めてのJIS(日本工業規格)が同日制定・発行されたと発表した。
全国に張り巡らされた下水道管きょは、地球ほぼ11周分の約45万kmに達し、高度経済成長期に大量に布設された管きょが数年後には50年を迎え、その老朽化対策が各自治体にとって大きな課題になるとみられている。
古くなった下水道管きょの更新には、道路を掘削して新管と入れ替える「布設替え」と、既存の下水道管きょ内に新管を構築する「更生工法」がある。国総研は、「布設替え」と比べて「更生工法」はコストが35%も削減できると試算している。経済的な「更生工法」について、品質確保、信頼性の向上を目的に基準を作成し普及を促進する研究を進め初のJIS化を達成したもの。
制定されたJISは、「JIS A7511(下水道用プラスチック製管きょ更生工法)」で、「このJIS制定により『布設替え』と比べ経済的な『更生工法』の品質確保や普及が進み、自治体の下水道管きょの更新負担が軽減されることが期待される」(国総研)という。
このJISは、日本工業標準調査会のホームページの「JIS検索」画面で閲覧でき、(一財)日本規格協会のホームページから購入できる。問い合わせは、国総研 下水道研究室(TEL029-864-3343)へ。