高エネルギー加速器研究機構(KEK)は6月2日、同機構の山本明特別教授が低温工学・超電導学会の「平成26年度功績賞」を受賞したと発表した。
同賞は、「長年にわたり低温工学と超電導工学の進歩発展に寄与し、その功績が顕著な者」に贈られる賞で、同教授の37年間にわたる超電導工学への貢献が評価された。
山本教授は、気球を使って宇宙から飛来する宇宙線を捕らえる「薄肉超電導磁石」を実現させ、さらに欧州共同原子核研究機構(CERN)の大型薄肉超電導磁石の開発に加わり、歴史的なヒッグス粒子発見に大きく寄与した。最近は、全長30kmの直線状加速器を作って電子と陽電子の衝突実験を行なおうという「国際リニアコライダー(ILC)計画」の実現に向け、その鍵を握る超電導技術の開発に加わっている。
こうした国際的な研究活動が認められたもので、「今後も、引き続きチームワークを大切にしつつ、超電導技術が主役となるILC計画の実現に向け貢献したい」と語っている。