「環境儀」第52号を刊行、アオコの有毒物質探る
:国立環境研究所(2014年5月9日発表)

 (独)国立環境研究所は5月9日、同研究所の研究成果を分かりやすく伝える研究情報誌「環境儀」の第52号「アオコの有毒物質を探る~構造解析と分析法の開発」を刊行したと発表した。

 アオコは、湖沼などで富栄養化により大量に発生する藍藻を主体とする浮遊性の藻類。アオコを形成する藍藻類の中には、有毒物質を発生する種類がある。日本国内では、アオコの有毒物質による健康被害は発生していないが、海外ではアオコが増殖した河川や池の水を利用したことが原因と推定される深刻な健康被害が報告されている。

 このため、世界保健機関(WHO)は、アオコに含まれる代表的毒素「ミクロシスチン」について暫定規制値を設定している。国内でも健康被害を抑制する対策として環境省がミクロシスチンを環境基準の要調査項目に、厚生労働省が水道法の要検討項目にそれぞれ指定し、監視のためのより精度の高い分析法の開発が求められている。

 刊行した「環境儀」第52号は、そのミクロシスチンを中心に、複雑な化学構造を持つアオコの有毒物質の構造解析と分析手法開発の歩みについて解説し、これまでに同研究所が行った研究の成果を紹介している。

 「環境儀」は、同研究所のホームページで閲覧できる。

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