(独)農業・食品産業技術総合研究機構の中央農業総合研究センターは4月30日、水田輪作への「地下水位制御システム(FOEAS)」の利用の仕方をまとめた「水田輪作におけるFOEAS活用マニュアル」を作製したと発表した。
FOEASは、雨が降り続けば暗渠から排水し、晴天で乾燥が続けば地下から水を組み上げる地下灌漑を行ない、栽培する作物に最適の水量を補給し維持するというシステム。先端農業技術として注目され、その普及面積は現在9,000ha(ヘクタール、1haは1万㎡)にまで広がっているとみられている。
水田輪作は、水田で水稲だけでなく大豆や麦類を組み合わせ栽培する農法。その水田輪作では、水稲の低コスト化、大豆や麦類の高品質化と安定生産をいかにして図るかが、課題となっており、対応策として期待されているのがFOEASの導入。
今回作製した活用マニュアルは、①FOEASで地下灌漑を行う際の導入条件、②水稲や大豆栽培時の用水量、③FOEASの機能を低下させる要因と回復方法、などを解説するとともに、今後、水田輪作に加わってくるとみられているネギ、ブロッコリー、ハクサイなどの野菜作りへのFOEASの応用について紹介している。
同活用マニアルは、http://www.naro.affrc.go.jp/narc/contents/foeas/index.htmlからダウンロードできる。
No.2014-17
2014年4月28日~2014年5月4日