(独)農業生物資源研究所(生物研)は4月30日と5月2日、平成26年度に行う遺伝子組換え農作物の栽培実験計画を発表し、5月11日につくば市(茨城)の同研究所で一般への説明会を開催した。
栽培実験を行うのは、イネ、タバコ、大豆、トウモロコシ。栽培は、生物研や近隣研究所内などいずれも、つくば市内の圃場(ほじょう)で実施。
栽培実験概要は、次の通り。
▽遺伝子組換えイネ
「スギ花粉症治療イネ」、「複合病害抵抗性イネ」、「開花期制御イネ」、の3種を栽培。
スギ花粉症治療イネは、同研究所が開発した遺伝子組換えイネで、つくば市観音台の同研究所の隔離圃場内の水田で栽培する。このイネの栽培は、平成23年から毎年行っており、今度が4回目。栽培規模は、2,078㎡。5月下旬に播種を行う。
複合病害抵抗性イネは、生物研が開発した、いもち病、白葉枯病など複数の病害に抵抗性を持つイネで、同研究所に近い(独)農業環境技術研究所(農環研)内の隔離圃場の水田と畑を使って栽培する。栽培規模は、合わせて約840㎡。5月下旬から6月下旬にかけ水田への移植と畑への播種を行う。
開花期制御イネは、開花期をコントロールできる生物研が開発した遺伝子組換えイネで、これも農環研の隔離圃場の水田で栽培する。栽培規模は、約520㎡。5月下旬から隔離圃場へ移植。
▽葉緑体形質転換タバコ
同研究所が開発したタンパク質を多量に生産して蓄積するタバコで、農環研の隔離圃場483㎡で栽培する。5月下旬から隔離圃場への定植を開始する。
▽高オレイン酸含有及び除草剤耐性大豆
既に厚生労働省によって食品安全性が確認され「食品安全性承認作物」になっているデュポン社(米国)開発の大豆で、生物研の畑を使って試験栽培。栽培規模は、71.5㎡。6月上旬に播種を行う。
▽害虫抵抗性及び除草剤耐性トウモロコシ
飼料としての安全性が既に農林水産省によって確認済のシンジェンタ社(スイス)開発のトウモロコシで、高オレイン酸含有大豆の隣で試験栽培する。栽培規模は、120㎡。6月上旬に播種を行う。
No.2014-17
2014年4月28日~2014年5月4日