(独)農業生物資源研究所は3月7日、平成26年度に隔離圃場(ほじょう)を使って栽培を行う遺伝子組み換えイネ「スギ花粉ペプチド含有イネ」の栽培実験計画書を発表した。
生物研は、遺伝子組み換え技術を使ってスギ花粉症を治療する治療薬の候補としてスギ花粉ペプチド含有イネ「7Crp#10」を開発した。
発表された栽培実験は、スギ花粉症の治験(臨床試験)に使う「7Crp#10」のサンプル(試料)を得る目的で行うもので、(独)農業・食品産業技術総合研究機構 作物研究所(茨城・つくば市)の高機能隔離圃場を使って実施する。
栽培実験計画書によると、隔離圃場での「7Crp#10」の栽培面積は、約10a(アール、1aは100m2)。4月上旬に種を蒔いて苗を育て、同月下旬に隔離圃場の水田に移植し、8月上旬に収穫する予定。
同圃場は、最も近い通常の圃場から250m以上離れており、他の作物との交雑が生じるようなことが無いように交雑防止措置をとるとしている。
また、穂が出る時期から収穫期までは、隔離圃場に防鳥網を設置して野鳥などによる食害を防ぎ、併せて種子の外部への飛散・拡散が起きないようにするという。
生物研は、4月から開始する隔離圃場での栽培実験の一般への説明会を、平成25年度に行った遺伝子組み換えイネの栽培実験結果の報告と併せて3月28日の午後2時から4時まで、つくば市の農林水産技術会議事務局筑波事務所本館(観音台2-1-9)で開催する。参加するには、事前申し込みが必要で、生物研の広報担当へ電話(029-838-8469)か、Eメールで。
No.2014-9
2014年3月3日~2014年3月9日