若田宇宙飛行士らのクルーがISSに移乗
―6カ月におよぶ長期滞在始まる
:宇宙航空研究開発機構

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上はISSに入室した若田宇宙飛行士。下はISSに接近するソユーズ(提供:JAXA/ NASA)

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11月7日、日本時間(以下時間は全て日本時間)同日午後1時14分に国際宇宙ステーション(ISS)の第38次/第39次長期滞在クルーである若田光一さんら3人の宇宙飛行士を乗せたロシアのソユーズ宇宙船がカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、同日午後7時27分にISSとドッキングし、同日午後9時44分にハッチが開いて若田さんらはISSに移乗、約半年間にわたるISSでの長期滞在を開始したと発表した。

 

■日本人初の船長に

 

 若田さんの宇宙飛行は1996年、2000年、2009年に続いて4回目。ISSでの長期滞在は2009年に次いで2度目。若田さんらのクルーは、来年5月まで188日間にわたりISSに滞在する。これで若田さんは、合計347日間宇宙で過ごすことになる。この記録は日本の宇宙飛行士として最長となる。また、若田さんは来年3月中旬以後の約2カ月間、ISSの船長を務める。これまでISSの船長はほとんどの場合、米ソの宇宙飛行士が務めており、日本人宇宙飛行士が船長を務めるのは若田さんが最初となる。
 船長としての若田さんは今回のISS長期滞在後半の第39次長期滞在クルーの指揮官となり、クルー6人の作業や健康状態の把握、緊急事態発生時の一時措置対応などに責任を持つ。
 また、日本実験棟「きぼう」での新薬開発に役立つ高品質のタンパク質結晶作りや、メダカを飼育しての無重力が骨に与える影響を調べる実験、シロイヌナズナの種子を発芽させて植物が重力に耐える仕組みを探るなど、種々の日本の実験の取りまとめをする。欧州実験棟「コロンバス」、米国実験棟「デスティニー」での実験運用も行う。
 さらに、ロボットアームのスペシャリストとして、若田さん自身が日本実験棟「きぼう」からロボットアームを操作して超小型衛星4個の放出も行う。昨年10月に行われた実証実験(5個=JAXA公募の衛星3個、米航空宇宙局(NASA)公募の衛星2個)に続くもので、今回はJAXA公募の衛星1個とNASA公募の衛星3個を放出する。今回放出予定の4個の超小型衛星は、この夏に日本の宇宙ステーション補給機「こうのとり」4号で既にISSに搬入が済んでいる。

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