
「こうのとり」4号機を載せて宇宙に飛び立つH-ⅡBロケット(提供:JAXA)
(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業(株)は8月4日、地球を周回する国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ無人の宇宙ステーション補給機「こうのとり」4号機(HTV4)を搭載した「H-ⅡB」ロケット4号機を同日午前4時48分、同機構種子島宇宙センター(鹿児島・南種子町)から打ち上げ、約14分59秒後「こうのとり」4号機を予定の軌道に投入した、と発表した。
■初の4Kカメラでの撮影に期待
「H-ⅡB」ロケットは、液体水素・液体酸素を推進薬とする全長56.6m、重さ531tの大型2段式ロケットで、これまでの主力ロケット「H-ⅡA」の後継機。これで2009年9月の初号機から4回連続で打ち上げに成功したことになる。打ち上げの作業は、今回から三菱重工に移管された。
「こうのとり」4号機は、高度350~460kmで地球を周回しているISSに届ける約5.4tの物資を搭載しており、ISS搭乗の宇宙飛行士用の食料、水などのほか、11月からISSに長期滞在する若田光一宇宙飛行士と会話実験を行うヒト型小型ロボットや、ISSから宇宙に向け放出するベトナム、米国、日本の超小型衛星、超高感度4Kカメラなどを載せている。
なかでも注目されているのが、現用のハイビジョン(高精細度テレビ)の4倍の画素数の超高感度4Kカメラ。昨年9月に発見された「アイソン彗星」と呼ばれる新彗星が今年12月地球に接近し、大量のチリとガスからなる巨大な“尾”をひく世紀の大彗星になると見られているが、その撮影をISSの中から若田さんが超高感度4Kカメラを操作して行ない、大気による揺らぎのない宇宙で捉えた大彗星の画像を地上に送ることになっている。
JAXAは、「ISSに4Kカメラを持ち込み、撮影するのは世界初の試み」といっている。
「こうのとり」4号機は、ISSにドッキングして搭載する物資をISSに運び入れた後、ISSで発生した不用品を積み込み、9月5日にISSから切り離し大気圏で消滅させる計画。