(独)農業・食品産業技術総合研究機構は3月13日、東北地方で多発しているウリ科の野菜の圃場(ほじょう)診断と被害緩和に向けたマニュアルを開発したと発表した。 東北地方では、キュウリ、スイカ、メロン、カボチャなどのウリ科野菜で「ホモプシス根腐(ねぐされ)病」と呼ばれる伝染性の病害が多発し、深刻な問題になっている。 この根腐病は、病原菌が土中の根に感染して激しい萎(しお)れや、枯死(こし)を引き起こす難病。ウリ科の野菜全般に発生し、抵抗性の品種がまだ開発されておらず、今のところ防除手段が土壌消毒しかないことから、発症地域が岩手・宮城・秋田・山形・福島の5県51町村にまで拡大、さらに増加するのではと心配されている。 同機構の東北農業研究センターは、ウリ科野菜の産地でこの難病の発生実態を調査したところ、被害が生じていなくても病原菌が既に侵入している栽培圃場が多数見つかったことから、被害の拡大を防止するには早期発見が不可欠と判断。被害発生前の対策を組み込んだ今回の「ウリ科野菜ホモプシス根腐病被害回避マニュアル」を作ったという。 マニュアルは、(1)圃場からの病原菌の検出技術、(2)発症圃場の被害を緩和する栽培管理技術、(3)従来の土壌消毒より簡便に被害の発生を低減できる土壌管理技術などで構成され、これを参考にすれば「ホモプシス根腐病の発生を未然に防ぐことが可能」と同機構はみている。 同機構は、このマニュアルをより使いやすくするため、「生産者向けのダイジェスト版(パンフレット)を作る予定」という。
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ホモプシス根腐病が激発した圃場(提供:農業・食品産業技術総合研究機構) |
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