(独)農業・食品産業技術総合研究機構の花き研究所は3月15日、主要な切り花30品目の「日持ち保証販売」のための品質管理マニュアルを作成し、同研究所のホームページに掲載したと発表した。 日持ち保証販売は、販売した切り花が枯れるまでの日持ちを販売者が保証する販売方式のこと。欧米では、すでにこの日持ち保証販売が一般化している。わが国でも国内の切り花生産を振興する方策の一つとして日持ち保証販売の重要性が認識されてきている。 公表したマニュアルは、切り花の日持ち保証販売に対応するための品質管理マニュアルとして作成したもので、「このマニュアルの利用により、国内の日持ち保証販売が進み、切り花の需要拡大が期待される」と同研究所はみている。 英国では、日持ち保証販売の導入によって切り花の消費が大幅に拡大した。わが国でも消費者に対する各種のアンケート調査の結果から消費者が日持ち保証販売を重視していることが明らかにされ、これから数年の間にごく普通の販売形態になるのではといわれている。 しかし、欧米と日本では、夏季の気象条件が大きく異なり、日本で切り花の日持ち保証販売を普及させるには夏季の高温に対応する品質管理技術の開発がいる。 こうしたことから、農林水産省は、同省の実用技術開発事業に「花持ち保証に対応した切り花品質管理技術の開発」を採択、花き研究所が代表機関となり、9つの研究機関が参加して平成22年から3年間かけ夏季の高温に対応する技術開発が行なわれた。その成果を取りまとめたのが今回の「日持ち保証に対応した切り花の品質管理マニュアル」。 マニュアルでは、主要切り花30品目について日持ち保証が可能な期間を明記しており、30品目全品目とも、常温で5日間の日持ち保証が可能としている。 同マニュアルは、65ページからなり、前処理や後処理など生産、流通、販売などの各段階での処理法など、総論で共通する注意事項、各論で30品目の取り扱い方法をそれぞれ記載している。
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写真上)30℃の高温下でのスプレーバラ。左が水、右が糖質プラス抗菌剤後処理したもので品質保持期間が延長(提供:花き研究所) 写真下)切り花に添付する日持ち保証シールの例(提供:花き研究所) |
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