インドネシアの「天然ダム」監視に水位観測ブイを提供
:土木研究所/国土交通省

 (独)土木研究所と国土交通省は2月22日、インドネシア共和国のアンボン島に発生した「天然ダム」に同研究所が開発した投下型の「土研式水位観測ブイ」を設置して同天然ダムの監視観測の強化を支援することになったと発表した。
 大雨や地震、火山噴火といった自然現象で河川の水の流れがせき止められ、上流側に大量の水が貯まってしまう状態のことを「天然ダム」と呼び、専門用語で「河道閉塞」(かどう・へいそく)という。
 アンボン島は、セレベス島とニューギニア島の間のバンダ海に位置し、面積は775km2。この島のワイエラ川の上流で昨年7月、深層崩壊が起こり高さ170mに達する大規模な天然ダムができて下流直下に住む5,000人近い住民が決壊の危険にさらされている。
 日本でも2011年9月の台風12号に伴う豪雨で、関西の紀伊山地を中心に大規模な天然ダムが複数発生しており、同研究所が開発した投下型の「土研式水位観測ブイ」が多数使われている。
 今回の取り組みは、装置を一部改良して海外での同ブイ活用の検証を行なうと同時に、住民の安全確保に役立てようとインドネシアの公共事業省と共同で実施するもの。設置する水位観測ブイによる水位の観測などは、土木研とインドネシア公共事業省の共同研究として行われる。

詳しくはこちら