減災技術・対策の確立へ4研究プロジェクト実施
:国土技術政策総合研究所

 国土交通省の国土技術政策総合研究所は4月6日、昨年の東日本大震災で甚大な被害をこうむったことなどを受け、「津波からの多重防御・減災システム」や「木造3階建て学校の火災安全性」に関する研究など、新たに4つの研究プロジェクトをスタートさせると発表した。3~5年計画で自然災害に強い国土管理の在り方や火災に強い木造建築物などの研究を進め、今後の減災や被災地の復旧・復興に役立てる。
 4プロジェクトの一部は平成23年度から研究に着手しているが、本格着手は24年度からとなっている。
 「津波からの多重防御・減災システム」(23年度から4年計画)では、津波を比較的頻度の高い「レベル1」と、それを超える規模の「レベル2」に分けて評価手法などを確立。海岸堤防など構造上の工夫を中心とするレベル1対応と、避難を軸にして減災を図るレベル2対応を組み合わせることで、多重防御・減災システムのあり方を探る。
 「木造3階建て学校の火災安全性」(23年度から5年計画)では、高い耐火性が要求されることで事実上建設が難しい木造3階建学校について火災実験などを進めて安全基準案を作成、将来的に建築基準法に反映させる狙い。2年前に施行された公共建築物への木材利用促進の法律の下で、地場産業の活性化などにつながる、としている。
 このほか、津波や洪水などによる歴史的な災害事例の分析を進めて効果的な減災対策技術を開発する「超過外力と複合的自然災害に対する危機管理」(24年度から3年計画)、豪雨や地震、火山噴火などで一度に大量に生まれた不安定な土砂の動きを長期にわたって予測する技術を開発し土砂の管理手法改善を目指す「大規模土砂生産後の流砂系土砂管理のあり方」(24年度から3年計画)に関する研究にも着手する。

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