地表と地球深部の間で繰り返し反射する地震波を観測
:防災科学技術研究所

 (独)防災科学技術研究所は12月3日、小笠原諸島西方沖で11月30日に発生した地震の際に、地表と地球深部の間で繰り返し反射する地震波を観測したと発表した。
 同地震は、深さ約480kmで発生した「深発地震」で、地震の規模を表すマグニチュード(M)は7.1だった。この地震で日本列島では、東北地方から関東地方の広い範囲で震度3の揺れが観測されたが、同研究所が全国に設置している高感度地震観測網(Hi-net)と広帯域地震観測網(F-net)の高感度加速度計、広帯域地震計が地表面と地球深部との間で何度も反射しながら伝わる「S波(横波)」を捉えていた。
 発表によると、地表面と地球深部の「外核」と呼ばれる流体部分の間で合計8回反射を繰り返した波もあり、地震発生から1時間以上遅れて日本列島に達していた。
 同研究所は、今回のHi-netやF-netの観測データについて「地球深部の構造をより詳細に調査するのに役立つことが期待される」と言っている。

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