日本実験棟「きぼう」で行ったタンパク質実験の成果物を回収
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11月29日、高度約400kmで地球を周回している国際宇宙ステーション(ISS)に接続する日本実験棟「きぼう」で実施している「高品質タンパク質結晶生成実験(JAXA PCG)」の第3回目の実験が終了、実験成果物をロシアのソユーズ宇宙船で無事地上に回収することに成功したと発表した。
 今回のタンパク質結晶生成実験は、「きぼう」に搭載しているタンパク質結晶生成装置(PCRF)を使って行われた。実験したタンパク質サンプルは、[1]マラリア、インフルエンザ、筋ジストロフィーなど様々な疾病の治療薬開発に繋がるタンパク質、[2]環境汚染の少ないバイオ燃料の開発に繋がるタンパク質、[3]ナイロンの分解など環境・エネルギー問題の解決に貢献することが期待されるタンパク質―など96サンプル。それらの中には、ロシアやマレーシアのタンパク質サンプルも含まれ、タンパク質の種類は48種類に及んだ。
 JAXAは、宇宙での高品質タンパク質結晶生成実験を過去に「きぼう」での2回を含め11回行っており、今回が12回目になる。
 今回のタンパク質サンプルは、今年の9月10日にカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地からロシアのプログレス補給船で打ち上げられ、「きぼう」に届けられた。「きぼう」での実験は、9月13日から約2カ月半にわたって実施され、11月26日に終了。実験成果物は、26日の内にカザフスタン国内で回収され、11月29日に日本に到着した。JAXAは、これから実験成果物の解析研究を開始する。

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