(独)産業技術総合研究所は11月9日、(株)アツデン、東京計装(株)と共同で液体のごく僅かな流量を高精度で測定できる超音波流量計を開発したと発表した。 超音波流量計は、液体中を伝わる超音波の伝播時間から流れる液体の流量を非接触で測る計器。新流量計は、毎分10cc以下の極微量な流量を従来製品の約5倍の精度にあたるプラス・マイナス0.1ccの誤差で測れる。 超音波を利用した流量計は、半導体製造装置で薬液などの供給を精密に制御するのに使われ、半導体回路の微細化に伴い一層の高精度化が求められている。新超音波流量計は、経済産業省の「平成21年度産業技術研究開発委託費」を得て開発したもので、既存の超音波流量計が使えない極微量な流量領域の測定がこれで可能になった。試作機は、毎分10~800ccの広い流量範囲でプラス・マイナス1%の精度が確認され、同1ccの流量でも誤差プラス・マイナス10%で測定できるという。 新流量計は、半導体分野だけでなく製薬やバイオケミカルなどの分野にも使える。 アツデンは、本格事業化を前提に、沖縄県うるま市に量産のための別会社を設立、東京計装も来年度から市販を予定している。 詳しくはこちら |  |
極微量超音波流量計の試作機(提供:産業技術総合研究所) |
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