(独)農業・食品産業技術総合研究機構の果樹研究所は10月27日、「巨峰」より甘い大粒ブドウの新品種を開発したと発表した。一粒の重さは「巨峰」を上回り、噛み切りやすくて硬い肉質を持ち、かつ種なしにできることから注目を集めそうだ。 現在国内で栽培されている大粒ブドウは、紫黒色の「巨峰」、「ピオーネ」が主体だが、欧州ブドウの特徴である「噛み切りやすくて硬い」肉質を持った大粒ブドウの誕生が望まれている。 新品種は、「サンヴェルデ」といい、色は黄緑(きみどり)。紫黒色の大粒ブドウ「ダークリッジ」に黄緑色の「センテニアル」を交配して得たもので、要望の多い「噛み切りやすくて硬い」肉質を実現した。糖度は、巨峰の19.2%、ピオーネの19.5%を上回る20.8%。一粒の重さは、13.9gで、ピオーネ(16.6g)を下回るものの、巨峰(12.6g)を上回る。 種なしのブドウは、いずれもジベレリン(植物ホルモン)の水溶液に生育途上のブドウを房ごと浸けるジベレリン処理によって作られるが、この新品種は2回のジベレリン処理で平均果粒重が14g弱の大粒種なしブドウになるという。 収穫期は、8月下旬から9月上旬で、巨峰やピオーネとほぼ同時期。 栽培できる地域も広く、東北地方南部から九州地方までの巨峰栽培地域で作れる。 詳しくはこちら |  |
大粒ブドウの新品種「サンヴェルデ」(提供:果樹研究所) |
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