(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月26日、準天頂衛星初号機「みちびき」が10月19日の第1波の送信開始に続いて残る5つの測位電波なども同日から所定の出力で送信を開始、地上システムで正常に受信できたと発表した。JAXAは、今後、衛星測位利用推進センター(SPAC)などの技術実証実施機関と協力、これらの電波を使って「みちびき」搭載機器の初期機能確認を今年12月中旬頃まで実施する。
「みちびき」は、今年9月11日に同機構の種子島宇宙センター(鹿児島・種子島)からH-IIAロケット18号機で打ち上げられ、日本列島付近からオーストラリア付近までの太平洋上空で「8の字」を描くように見える所定の準天頂軌道に乗った後、10月19日から最初の測位電波の送信を開始した。その後、計画通りに残る5波の信号電波の送信も始め、米国のGPS(全地球測位衛星システム)など、既存の衛星測位サービスに影響を与えないことを確認しながら出力を段階的に上げていた。
JAXAは、初期機能確認を終えたら「みちびき」を使ってGPSの機能を補完・補強する技術と利用の実証実験に移る。「みちびき」からの信号電波は、市販のカーナビなどのGPS受信機では受信できないが、簡単な改修で受信可能になる。来年春頃までには測位信号の一般向け提供も開始される予定だが、当面は測位電波の機能・性能の確認をするため一般ユーザーが測位計算に利用できない設定になっている。
No.2010-42
2010年10月25日~2010年10月31日