(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月27日、平成22年度冬期の「H-IIB」ロケット2号機による宇宙ステーション補給機2号機(HTV2)打ち上げ計画の概要を同日開かれた宇宙開発委員会に報告したと発表した。HTVの打ち上げは、昨年9月の初号機(HTV1)に続いて2回目。打ち上げ場所は、前回と同じ同機構の種子島宇宙センター(鹿児島・種子島)。 HTVは、飛行中の国際宇宙ステーション(ISS)に補給物資を運ぶために日本が開発した無人宇宙輸送機。全長約10m、直径約4.4mの大きな筒型で、約6tの補給品を高度約400kmで地球を周回中のISSに運ぶ。HTVは、H-IIBロケットで打ち上げられ、ISSに接近後、ISSのロボットアームでISSに結合される。食料や衣服のような消耗品、各種実験装置などの補給品をISSに移した後、用途を終えた実験機器や不要品を積んでISSを離脱、最後は地球の大気圏に再突入して燃え尽きる。 HTVは、ISSへのフェリー役を務めてきた米国の「スペースシャトル」が近く退役するので、それに替われるように日本が開発した。同様の無人輸送機にロシアの「プログレス」と欧州宇宙機関(ESA)の「欧州補給機(ATV)」があるが、「プログレス」と「ATV」が船内用物資だけを輸送するのに対してJAXAのHTVは船内用・船外用どちらの物資も運べる(船内用約4.5t、船外用約1.5t)のが特徴。 H-IIBロケットは、H-IIAロケットの技術を生かした、より能力の高い我が国最大のロケット。液体酸素と液体水素を推進薬とする2段式で、H-IIAでは1基だった1段目液体ロケットエンジン(LE-7A)を2基に増強し、標準型で2本だった固体ロケットブースターを4本にした。 また、1段目タンクの直径を4mから5.2mに太くし、全長も1m延ばして推進薬を従来の1.7 倍積めるようにして、補給品を含めて16.5tのHTV打ち上げ能力を実現した。JAXAは、平成23年度にもHTV3を打ち上げるなど今後、年間1~2機のHTV打ち上げを計画している。 詳しくはこちら |  |
「H-IIB」ロケット(提供:宇宙航空研究開発機構) |
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