東アジアの代替フロンなどフッ素系温室効果ガスの排出実態を初めて解明
:国立環境研究所/産業技術総合研究所など

 (独)国立環境研究所は5月17日、日本や中国など東アジア地域で排出されている代替フロンなどフッ素系温室効果ガスの詳細な排出実態を初めて解明したと発表した。
 冷蔵庫の冷媒などに使われていたフロンは、高空のオゾン層を破壊することから世界中で生産が中止され、代替フロンに切り替わっている。その代替フロンには、「ハイドロ・クロロ・フルオロ・カーボン(HCFC)類」と、「ハイドロ・フルオロ・カーボン(HFC)類」の2系統あるが、これらにもオゾン層を破壊する性質があり、大気中の濃度が増加していることから、先進国は2020年、開発途上国は2030年までにそれぞれ生産を中止することが国際的に決まっている。
 今回の研究は、同研究所と(独)産業技術総合研究所、ノルウェー、韓国、米国、スイス、中国の研究陣とが共同で行ったもので、HCFC類、HFC類の2系統の代替フロンと、非常に強い温室効果ガスである「パー・フルオロ・カーボン(PFC)類」の中国、北朝鮮、韓国、日本、台湾の2008年の排出量を日本、韓国、中国の各ステーションの観測値と輸送モデルを組み合わせ解析した。
 その結果、HCFC類、HFC類とも中国からの排出量が群を抜いて多く、世界的に見ても相当の割合を占めることが判明した。
 また、PFC類も東アジア地域からの排出量は多く、全世界で排出される量の約40~75%以上を占め、中でも中国からの排出が多く、東アジア全体の半分以上に達する、としている。

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