(独)国際農林水産業研究センターは5月19日、特有の香りがするエダマメとして人気のある「茶豆」の香り成分の生成をコントロール(制御)する遺伝子を特定したと発表した。
山形県産の「だだちゃ豆」に代表される茶豆の特有の香りは、単一の遺伝子で制御されていると推定されていたが、その遺伝子が何であるかは不明だった。
同センターは、タイのカセサート大学、チェンマイ大学、フィリピンの国際稲研究所と共同で、茶豆の香り成分である「2-アセチル-1-ピロリン」の生成を制御しているのが「GmAMADH2」と呼ばれる遺伝子であることを突き止めた。
この遺伝子は、細胞分裂やタンパク質合成に関係する遺伝子の一つとして知られ、茶豆ではこの遺伝子が働かず、その結果として香り成分の2-アセチル-1-ピロリンが生成され、特有の香りができることが分かったという。
同センターは、この遺伝子特定により、「香り成分生成能の有無を遺伝的に検定することによる(エダマメの)選抜が可能になった」としており、エダマメの品種改良、育成に役立つものと期待される。
No.2010-19
2010年5月17日~2010年5月23日