東京湾と伊勢湾で起こる最大の高潮・高波を予測
:防災科学技術研究所/岐阜大学

 (独)防災科学技術研究所と岐阜大学は9月12日、東京湾と伊勢湾で起こり得る最大級の高潮と高波の予測を科学的に初めておこなうことに成功したと発表した。
 温暖化による台風の強大化が進み、想定を上回る高潮が発生すれば、先の東北地方太平洋沖地震による津波災害と同様の壊滅的な災害が生ずる可能性がある。
 同研究所と岐阜大の研究は、大気と海洋と波浪を一体的に計算できるようにした最新の「大気-海洋-波浪結合モデル」と、最大級の台風を任意の湾に来襲させる「台風渦位ボーガス」と呼ばれる手法を用いたコンピューターシミュレーションによって、現在の気候と、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の地球温暖化を想定した将来の気候、の両方について東京湾と伊勢湾で起こる高潮と高波を予測したもの。
 それによると、現在の気候でも東京湾の潮位偏差(潮位の予報値と実際の潮位とのずれ)は、最大で3.3mになるという。これまでに東京湾で観測された最大の潮位偏差が「東京湾台風」(1917年)の2.3mなのでそれを大きく上回ることになる。
 また、将来の気候では、伊勢湾での最大潮位偏差が6.9mにも達し、これまでの最悪「伊勢湾台風」(1959年)の3.5mを遥かに超えると見ている。

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