(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月14日、国際宇宙ステーション(ISS)への物資補給船「プログレス44P」のソユーズUロケット(ロシア)による打ち上げ失敗について、ロシアにおける原因究明状況などを宇宙開発委員会に報告した。ISSには来年半ばまでの食糧や水などの備蓄があるので、当面ISS搭乗中の宇宙飛行士の活動は継続できるという。
プログレス44Pは、ISSクルーの用品や食糧1.3t、水や燃料1.6tの計約2.9tを搭載、8月24日にロシアのバイコヌール射場からソユーズUロケットで打ち上げられた。しかし、第3段ロケット点火直後の打ち上げ325秒後にエンジンに異常が生じ、西シベリアの無人地帯に落下した。
事故原因についてロシア連邦宇宙庁の事故調査委員会は9月8日、汚染物質の混入によりガスジェネレーター(燃料ガス化装置)の燃料流量が減少し、エンジンが緊急自動停止したと結論付けた。
ISSには、9月14日の時点で、26Sクルーの3人と、JAXAの古川聡さんら27Sクルーの3人の計6人の宇宙飛行士が滞在している。
ロシアは、次の宇宙飛行士クルーを乗せたソユーズ宇宙船の打ち上げを、無人のソユーズUロケットの打ち上げ結果を見てから行う方針で、次のクルーの打ち上げが古川さんらの帰還までに行われない場合には、ISSは一時無人となる。ただ、無人化しても地上からのコマンドによりISSの運用は可能という。
今回の事故によるJAXA計画への直接的影響はないが、26Sクルー帰還後、27Sクルー3人のみの体制が長引けば、予定している実験が計画通り行われなくなる恐れもあるとしている。
No.2011-37
2011年9月12日~2011年9月18日