節電に朗報、安価な電力計測器を開発
:産業技術総合研究所

 (独)産業技術総合研究所は9月2日、今どれだけの電気を使っているかが分かる節電に朗報の安価な電力計測器を開発したと発表した。
 この新電力計測器は、電流によって誘起される磁界を測って電流量を測定する市販のクランプ型電流センサーとワンチップマイコンで構成され、1台で4点の同時計測ができる。
 産総研は、この電力計測器を用いた電力可視化システムをつくば市(茨城)の同研究所構内の計算サーバー室に構築し、サーバーごとの使用電力情報をきめ細かく可視化できるようにした。
 東日本大震災に伴う電力不足で、東京電力と東北電力の管内の契約電力が500kW以上の大口需要家には、昨年比15%の節電が求められている。このため、いつどこでどれだけの電力を消費しているかを把握することが必要となり、事業所ごと、工場ごとの電力可視化システムの普及が始まっている。
 しかし、きめ細かな節電計画を立てるには、事業所内の分電盤ごと、さらにはブレーカーごとの細分化した単位での電力可視化が必要となることから、電力計測器の数が多くなってそのコストが問題となっている。
 同研究所によると新電力計測器は、量産すれば計測点1点当たり2,500円程度の低コストで製作できるという。測定誤差も1%程度で、電力可視化システムとして十分な性能を持っているとしている。

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電力計測器の信号処理部。右に丸く写っているのは大きさ比較のための500円硬貨(提供:産業技術総合研究所)