超伝導加速空洞の製造技術研究する施設が完成、運用を開始
:高エネルギー加速器研究機構

 高エネルギー加速器研究機構は7月14日、つくば市(茨城)の同機構内に完成した超伝導加速空洞の製造技術を研究開発する「空洞製造技術開発施設(略称:CFF)」の運用を7月13日から開始したと発表した。
 超伝導加速空洞は、高周波を使って電子などの荷電粒子を加速する装置で、加速管ともいい、次世代の高エネルギー電子加速器「リニアコライダー」(直線衝突型加速器)などに使われる。中でもリニアコライダーの開発には、1万数千台もの超伝導加速空洞が必要とされ、量産技術の開発が求められている。
 その量産化に必要な技術の研究開発を推進する施設として新設したのがCFFで、ISO(国際標準化機構)クラス5レベル(1㎥の空間に浮遊する粒径0.5μmの微粒子が35,200個以下の清浄度)のクリーンルームをはじめ、プレス室、トリミング室、化学研磨室、電子ビーム溶接室を備え、超伝導加速空洞製造の一連の作業が行える。
 同機構では、空洞製造のどの過程に問題があるのかを特定でき、性能向上に大きく貢献できるものと見ている。

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電子ビーム溶接機のスイッチを入れる高エネルギー加速器研究機構の鈴木厚人機構長(提供:同機構)