国土交通省は7月14日、東日本大震災で津波被害を受けた地域の復旧・復興計画の策定を支援するため、津波が来た時の浸水状況などを分析するシミュレーションの進め方の手引きを取りまとめたと発表した。被災地の街づくり計画などをまとめる際に、避難地の設定や土地利用の調整、避難ビルの高さなどを検討するのに役立ててもらう。地方自治体などからの問い合わせに対応する相談窓口も設けた。
津波浸水シミュレーションは、津波を引き起こす海底の断層モデルや海に面した地域の地形データをもとに、津波が来た時にどの地点がどの程度の深さで浸水するかという平面分布などをコンピューターで分析・予測する手法。
今回まとめた手引きは、そうしたシミュレーションを迅速、適切に実施するための標準的な方法や考え方を具体的に示した。被災地では、基礎的なデータが不足している場合があるが、そうした場合にどうすればよいかなど、現実に即した対応方法についても例示したという。
今回の手引きは、現時点の知見を基に緊急に取りまとめたもので、今後最新の科学的知見が得られれば、それを取り入れて随時見直す計画。
手引きに関する相談窓口は、国交省の水管理・国土保全局海岸室と国土技術政策総合研究所河川研究部海岸研究室に設置した。
No.2011-28
2011年7月11日~2011年7月17日