(独)物質・材料研究機構は7月13日、1,000℃という高温下でジェットエンジンやガスタービンなどの重要部品の金属疲労を評価する「高温・高速金属疲労試験装置」を開発したと発表した。 運転中のジェットエンジンやガスタービンのタービン翼は、毎秒数千回振動する。このため、10億回以上繰り返し振動した時点の金属疲労による疲労破壊が問題となる。しかし、これまでの疲労試験装置は、毎秒10回程度の繰り返し振動しか与えることができず、10億回繰り返すのに3年を要すため、材料の疲労特性評価は1,000万回程度が限度だった。 新試験装置は、超音波振動を使い1,000℃の高温下で毎秒2万回という繰り返し振動を実現したもので、僅か1日で10億回の繰り返し振動を試験材料に加えることができる。 超音波を利用する疲労試験は、温度の影響を受ける因子が多く、全ての因子に対応した装置を作るのは困難だとこれまで見られていた。同機構は、それらの因子を詳細に分析し、制御方法を見直し、全く新しい装置を開発することに成功したという。 試験できる温度範囲は、500~1,500℃で、新試験装置による疲労試験結果と数十年にわたって蓄積されてきた疲労試験の文献値とがよく一致することを確認した、と同機構はいっている。
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高温・高速金属疲労試験装置の試験片部(提供:物質・材料研究機構) |
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