(独)農業・食品産業技術総合研究機構の野菜茶業研究所は7月7日、“難病”の「さび病」に強い抵抗性を持つネギを育成したと発表した。
育成したのは、交配と選抜を繰り返して得た「中間母本」と呼ばれる段階の実用品種手前の素材。同研究所は、この中間母本の品種登録を既に終え、現在、種苗会社と共同で次ぎのステップの実用的なさび病抵抗新品種の開発に入っている。
さび病は、ネギの葉の表面にだいだい色の小斑点が多数できる病害で、ネギの商品価値を著しく低下させる。しかも、栽培期間中、長期にわたって発生し、この難病に抵抗性を持つ品種がないことから、農薬による防除しか手がなく、発生が多い場合には6~8回もの農薬散布が行われているといわれる。
今回育成した中間母本は、従来の品種と比べてさび病の発生が少なく、強い抵抗性を示すことを確認している。
また、さび病に弱い品種と交配した後代に抵抗性の強い品種が現れるということも判明しており、「さび病抵抗性品種を育成するための育種素材としても有効」と同研究所は見ている。
No.2011-27
2011年7月4日~2011年7月10日