(独)防災科学技術研究所は1月31日、噴火活動が続く九州の火山、霧島山・新燃岳の火口内部の様子を(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)の陸域観測技術衛星「だいち」搭載の合成開口レーダー(PALSAR)を使って捉えることに成功したと発表した。
「だいち」は、2006年1月24日にJAXAが「H-ⅡA」ロケットで打ち上げた世界最大級の地球観測衛星で、3つの地球観測センサーを搭載している。
PALSARは、その1つで、進行方向の斜め下の方向にレーダー波を照射し、その後方散乱波を観測して地球表面の画像を得るセンサーで、昼夜・天候にかかわらず陸地の観測が行え、噴煙を透過して火口内部の画像を得ることができる。
同研究所は、「だいち」搭載のPALSARが捉えたデータを入手して解析したところ、噴火によって火口内部の様子が大きく変化していることを見つけたもので、1月27日から30日にかけて溶岩ドームが直径500m程度の大きさにまで成長していることが分かった。
噴火が本格化したのは1月26日。同27日に観測したPALSAR画像の溶岩ドームと見られる大きさは、およそ100m四方だったので、その約5倍になる。
No.2011-5
2011年1月31日~2011年2月6日