(独)産業技術総合研究所は2月1日、多摩美術大学美術学部の須永剛司教授と共同で、イベントなどの来場者のコメントを意味的なつながりをもとに幾何模様にして展示する可視化システムを共同開発したと発表した。来場者が展示物を見るだけでなく発信者として参加できる。ユーザー参加型の展示システムとして幅広い活用が期待できるという。
開発したのは、来場者が感想などを自由に記述したコメントカードを集めて場内で幾何模様のアート作品として展示するシステム。多くのカードの中から意味的なつながりをもつカードを選び出して関連付けし、そのつながりをもとにカード間の配置と配色を決め、幾何模様を描き出す。カードのつながりをもとに幾何模様を描く多摩美大の開発したシステム(表現ネビュラ)と、データの意味を属性情報として追加する産総研の開発したシステム(構造化システム)とを組み合わせて実現した。
これまでコメントの展示は、ランダムか時系列的であり、コメントの分類、整理は多くの場合イベント後であった。今回のシステムを用いると分類・整理、作品化がその場で行えるので来場者もイベント参加を楽しめる。
2月2日~13日まで東京・港区の国立新美術館で開かれた第14回文化庁メディア芸術祭協賛事業「先端技術ショーケース11」で公開した。
No.2011-5
2011年1月31日~2011年2月6日