(独)産業技術総合研究所は1月28日、噴火活動を続ける九州の霧島山・新燃岳(しんもえだけ、1,421m)から噴出した軽石の分析結果を発表した。
軽石は、火山噴火で地表に放出されたマグマ(溶融した高温の岩石)が冷えて固まってできた多孔質の岩片。分析した軽石は、噴火が激しくなった1月26日夕刻から27日朝にかけて発生したもので、同研究所が派遣した調査チームが現地で採取した。分析作業は、つくば市(茨城)の同研究所地質調査総合センターが行った。
その結果、二酸化ケイ素含有量が約57%の輝石安山岩質の軽石であることが分かり、「輝石安山岩マグマが今回の噴火を引き起こしている」と見ている。
同時に江戸時代の1716年から17年にかけて同地域で起こった「享保噴火」と呼ばれる前回の大規模噴火の噴出物を解析したところ、今回の噴出物の組成と良く似ていることも判明した。
前回の享保噴火は、終息までに約1年半かかった。
No.2011-4
2011年1月24日~2011年1月30日