新燃岳地下の推定マグマ量を発表
:国土地理院

 国土交通省国土地理院は1月28日、霧島山・新燃岳(しんもえだけ、1,421m)の今回の噴火前、新燃岳の地下には東京ドーム約5.8杯分、計700万㎥のマグマ(溶融した高温の岩石)が蓄積していたと推計されると発表した。
 霧島山周辺では、2009年12月頃から山体が膨張していることを示すと思われるわずかな変化が全地球測位システム(GPS)の連続観測で検知されていた。これらのデータと国土地理院の電子基準点で得られたデータを総合的に解析し、噴火前の山体の膨張を示す地殻変動パターンを詳細に把握した。
 2010年5月以降の地殻変動量に基づき山体膨張の原因と考えられるマグマの位置、深さ、体積変化量などを計算したところ、新燃岳火口の西北西約10km、地下約6kmの深いマグマ溜まりと、新燃岳火口直下、地下約3kmの浅いマグマ溜まりにマグマが蓄積していることが推定された。膨張に関与したマグマの量は、深いマグマ溜まりで約600万㎥(東京ドーム約5杯分)、浅いマグマ溜まりで約100万㎥(同約0.8杯分)と推定されたという。
 また、噴火直後から山体を南北にはさんだ観測点間の距離が縮む傾向で推移していることから噴火後に山体が収縮している可能性があるとしている。

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