(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月26日、同日開かれた文部科学省の宇宙開発委員会に帆船型宇宙探査機「IKAROS(イカロス)」の定常運用終了を報告したと発表した。 イカロスの正式名称は、「小型ソーラー電力セイル実証機」で、2010年5月21日に同機構種子島宇宙センター(鹿児島)からH-ⅡAロケットで打ち上げた。縦・横約14mのソーラーセイル(太陽帆)と呼ばれる正方形の超薄膜を拡げて太陽光を受け、その光圧で推進力を得ると共に、帆に貼り付けた太陽電池で電気を起こしてイオンエンジンを動かし進む、というハイブリッド推進を実証するのが目的。 宇宙開発委への「定常運用終了報告」によると、イカロスは2010年6月から約6カ月定常運用を行い、その間に太陽光発電、ソーラーセイルによる加速と軌道制御などに成功した。 ソーラーセイルのアイデアは、100年も前からあったが、宇宙で航行を実証したのは世界でもイカロスが初めてという。 同機構は、定常運用終了後もイカロスの航行実験を2012年3月頃まで行い、航法誘導などの技術実証と観測を実施する予定。 詳しくはこちら |  |
太陽光圧を受けて進む「イカロス」の想像図(提供:宇宙航空研究開発機構) |
|