(独)防災科学技術研究所は1月28日、大噴火を起こした霧島山・新燃岳(しんもえだけ、1,421m)のマグマ(溶融した高温の岩石)溜まりが新燃岳の西北西約7km、深さ約12km付近にあることを突き止めたと発表した。
1月26日から27日にかけて起きた噴火に伴う山体の傾斜変動を4個所に設置した観測施設のデータを分析して推測した。噴火の際に山体がマグマを放出して収縮し、山の斜面の傾きがわずかに変化する傾斜変動が起きることが知られている。
新燃岳は、宮崎県と鹿児島県の県境にある霧島山の一部。今回、傾斜変動を観測したのは、新燃岳周辺に設置されたそれぞれ2個所の基盤的火山観測施設、および高感度地震観測施設。
観測では、1月26日の14時49分の噴火、27日の2時頃および同日15時41分の噴火に伴って、それぞれ3時間程度かけて新燃岳の北西側を中心にゆっくりと山体が収縮することを示すデータが得られた。傾斜変動の大きさは、10km先の地面が2mmだけ上下方向に動くというきわめて小さなものだったが、このデータを分析した結果、マグマ溜まりのおよその位置を推測できたという。
No.2011-4
2011年1月24日~2011年1月30日