(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は19日、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」に搭載している成層圏大気中の微量成分を観測するセンサー「SMILES(スマイルズ)」の運用再開を断念し、同センサーによる観測を終了すると発表した。
SMILESは、成層圏のオゾンやオゾン破壊に関連する大気微量成分の存在量を宇宙から観測する超電導を利用したセンサー。2010年4月、電子部品に不具合が発生したため観測できなくなっていた。
以来、地上から交換部品を届け宇宙飛行士の手で修理してもらう方法など復旧策を検討してきたが、観測中断の結論に達し、同日開かれた文部科学省の宇宙開発委員会に報告、了承された。
同機構は、SMILESが2009年10月から半年間にわたって取得した観測データの解析を今後3年程度かけて実施し、大気オゾンの変動を世界に先駆けるレベルで精密に把握すると共に、大気オゾン量の正確な観測データを全世界に発信することにしている。
No.2011-3
2011年1月17日~2011年1月23日