筑波大学は12月18日、同大学の遺伝子実験センターがこれまでに単離した「トマト突然変異体」の提供を大学、研究機関、民間企業の研究者に対し開始したと発表した。 トマトは、世界で最も生産量の多い野菜で、多くの機能性成分を含んでいる。しかし、トマトの機能成分の質や量の向上に不可欠な遺伝子群の機能解析は、まだ大部分が未解明の状況にある。 そのため、国際協力でトマトのゲノム(全遺伝情報)解読プロジェクトが進められてきたが、つい先月その解読が終わったことでゲノム情報を利用したトマトの遺伝子研究が国際的に一気に活発化する見通しにある。 筑波大の遺伝子実験センターは、これまでに文部科学省の委託事業「ナショナルバイオリソースプロジェクト・トマトバイオリソース拠点整備」の一環として、多種類のトマト突然変異体を大規模に単離し、その単離した突然変異体を国立遺伝学研究所と共同で開発した「TOMATOMA」と呼ぶデータベース(http://tomatoma.nbrp.jp/)に登録してきた。 その同センターが単離しTOMATOMAに登録したトマト突然変異体の一般分譲を開始したもの。TOMATOMAにアクセスすれば突然変異体の特徴を知ることができ、そのデータベースを通して入手したい突然変異体の分譲をリクエストするという仕組み。 同センターの突然変異体リソース(資源)は、海外からも注目され、世界のトマト研究の基盤になるものと期待されている。 問い合わせは、筑波大学遺伝子実験センター(TEL029-853-7762)へ。 詳しくはこちら |  |
トマトの野生株(左)と突然変異体(右)の違い(提供:筑波大学) |
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