(独)物質・材料研究機構は12月17日、使い終えた携帯電話などの小型電子機器をあっという間に破砕・粉砕し、バラバラにする簡便な装置を開発したと発表した。 携帯電話など電子機器の部品には、レアメタル(希少金属)が随所に使われ、それら有用金属を含む廃棄物は「都市鉱石」、「都市鉱山」と呼ばれ、新資源として注目されている。 新装置は、その都市鉱石を使い易い姿に変える道を開いたといえ、「少量ずつ集まってくる使用済み小型電子機器を設備投資を極力抑えながら小規模に処理していくシステムに使える」と同機構は見ている。 新装置は、(有)押鐘、(有)ナガオシステムの協力を得て開発したもので、使用済み小型電子機器を破壊・解体してレアメタルを含んだ基板などを露出させて分離可能にする「破解機」と、破壊された半導体チップなどを効率的に粉化する「三次元ボールミル」で構成され、都市鉱山開発の2つの壁の克服を目指している。 都市鉱山開発には、3つの壁があるとされている。資源が分散している「分散の壁」、プラスチックなども廃棄せず有効利用する「廃棄物の壁」、処理コストを下げる「コストの壁」で、新装置を使えばその内の「分散の壁」と「コストの壁」を解決できるという。 同機構は、今回開発した2つの装置によって、「都市鉱石製造は実用化に向けて大きく前進したと考えられる」といっている。 詳しくはこちら |  |
新開発の破解機。大きさが分かるよう台車の上に乗せてある(提供:物質・材料研究機構) |
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