(独)農業・食品産業技術総合研究機構は12月1日、発酵粗飼料用に適した稲の新種を3品種開発したと発表した。
国際的な飼料価格の高騰で国産飼料が見直され、生産調整中の水田や耕作放棄水田を活用しての飼料用稲の生産が増えている。なかでも乳牛や肉牛の飼料として注目されているのが、実(米粒)とワラ両方を利用する「稲ホールクロップサイレージ(稲WCS)」と呼ばれる稲発酵粗飼料。
開発した3品種は、低コストで生産できる稲WCS専用の稲で、「まきみずほ」、「モグモグあおば」、「ルリアオバ」と命名され、既に今年度から福岡県、鹿児島県など九州4県で作付けが始まり、福岡県では大規模な試作が行われている。
3品種共、温暖地に適し、「まきみずほ」は麦、イグサ、タバコなどとの二毛作が行え、「モグモグあおば」は多収で米粒が大粒なため普通の主食用の米と容易に識別できるのが特徴という。また、「ルリアオバ」は刈り取った後も生育し、2回刈り栽培が行える。
No.2009-48
2009年11月30日~2009年12月6日