世界最速で全天X線画像を取得
:宇宙航空研究開発機構/理化学研究所

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)と(独)理化学研究所は11月26日、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」に設置されている全天X線監視装置(MAXI)を使い、世界最速で全天X線画像を得ることに成功したと発表した。
 取得した画像は、MAXIに搭載されている「ガススリットカメラ」と呼ばれるX線カメラを用いて、2009年8月15日から10月29日までに取得したデータから作成された。
 低いエネルギーのX線を放射している赤い天体、高いエネルギーのX線を放射している青い天体など、画像からは約180個のX線天体を目視でも認識でき、このような全天カラー画像がわずか2カ月余りで得られたのは世界でも初めてという。
 MAXIは、全天で1000個を越えるX線天体の1日から数カ月にわたるX線の強度変化を、90分に1回の間隔で監視し、X線による全天の動画をカラー撮影することができる。
 MAXIの検出限界は、宇宙X線の観測で標準天体として使われる「かに星雲」の強度の1000分の1に達し、今後観測を重ねることによりこれまでの全天型X線観測装置の10倍を超える感度にまで持っていけるものと見ている。
  MAXIは、今後少なくとも2年以上にわたり「全天を見渡すX線の眼」として活躍することが国際的に期待されている。

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