(独)物質・材料研究機構は10月5日、世界の優れたナノテクノロジー研究者に贈られる米国の「フォアサイト・インスティチュート・フェインマン賞」の今年の受賞者に同研究所グループリーダーのオスカー・クスタンス氏と、大阪大学の阿部真之准教授、杉本宣昭特任講師の3人が選ばれたと発表した。
この「フェインマン賞」は、朝永振一郎博士らと共に1865年、ノーベル物理学賞を共同受賞した米国の物理学者R・フェインマン博士の提唱した「個々の原子を操るナノテクノロジーによる原子レベルでの精密なモノ作り」の実現に最も寄与した研究者に対し、米国の非営利組織のフォアサイト・インスティチュートが毎年授与している世界的な賞。
アジアの研究者が受賞するのは、今回が初めて。来年1月カリフォルニアで授賞式が行われる。
受賞が決まった3人は、大阪大学で原子間力顕微鏡という個々の原子を見ることができる顕微鏡を使って半導体表面の個々の原子を室温で自由自在に操作する技術を2005年に共同開発した。その成果とその後の研究で新しい原子レベルのデバイス・材料開発に道が開かれたことが高く評価され、今回の受賞となった。
No.2009-40
2009年10月5日~2009年10月11日