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ドローンとAIによる牧草地管理、大規模生産現場で可能に―イネ科とマメ科の混播栽培で:農業・食品産業技術総合研究機構

(2026年7月8日発表)

 良質な自給飼料の牧草を生産するうえで有効な栽培法である、イネ科とマメ科の牧草を混ぜた草地について、AI(人工知能)とドローンを使って大規模な生産ほ場で管理できる手法を(国)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センターが開発した。輸入飼料の高騰などで厳しい経営環境にある日本の酪農・畜産農家にとって開発手法が役立つことを期待している。

 放牧や草を採るための牧草地では、イネ科の牧草とマメ科の牧草を混ぜて栽培する「混播栽培(こんぱさいばい)」が北海道でも広く行われている。イネ科牧草は牛にとって主食で、エネルギー源として体を動かす力となるが、それだけではたんぱく質やミネラルなど、良質な牛乳や畜産物の生産に必要な成分は不足しがち。マメ科の牧草はその点を補うほか、根に共生する根粒菌が土壌に窒素を供給するため、イネ科牧草の生育も助け、施肥量を減らす効果がある。

 牧草地ではマメ科牧草の地表面に占める割合(被度)を約30%に維持することが望ましい。その割合を維持するために、専門家が広い現場を歩き回って目視したり、種類ごとに収穫して重さを量ったりするなど、多大な労力と時間を要することが課題である。

 そこで農研機構は、専門家でなくてもドローンで撮影した画像を基に、AI(人工知能)でマメ科牧草の分布割合を推定する手法の開発に取り組んできた。イネ科とマメ科の牧草は、葉の形状などから人の目視で容易に区別できる。まずは小規模な試験ほ場で、高さ4mからの空撮画像から見分けたマメ科牧草の個所を人の手で色塗りした画像を作成。そのデータの集まりを深層学習のAIモデルで学ばせることによって、小区画ごとの分布割合を自動推定する手法を確立した。

 さらに今回の成果は、北海道の実態に合わせてヘクタール規模の広さの牧草地に適用可能にした。撮影面積を広げるため、高さ8mでドローンを飛行させ、広さ10.7m×8mの牧草地ごとに、縦横の重なり幅を持たせながら連続的に撮影し、合わせて約4haといった大規模牧草地でマメ科牧草の割合を推定できた。高精度な測位にはGPS以外の技術も導入した。

 新手法によって、牧草地全体でマメ科の割合が低かった場所が分かり、追加の播種や施肥をするなどきめ細かい草地管理が可能になった。同時に農研機構は誰でもドローンで取得したデータを入力すれば牧草の分布状況を把握できるソフトの「HojoCover」を公開(要申請)、一般農家や農業団体の活用を働きかけている。今後、この牧草種の認識の新手法は牧草地に生じる雑草の判別と効果的な農薬使用による駆除にも応用できるという。

図1. (提供:農研機構 北海道農業研究センター)
図2. (提供:農研機構 北海道農業研究センター)