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かぼちゃの収穫作業を軽減できる新品種を開発―将来の機械化収穫にも適した品種を実現:農業・食品産業技術総合研究機構

(2025年7月18日発表)

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かぼちゃ新品種「栗のめぐみ2号」
(提供:農研機構 北海道農業研究センター)

 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センターは、朝日アグリア株式会社と共同で農家の収穫作業の負担を軽減できる新品種のかぼちゃを開発したと7月18日に発表した。商品名「栗のめぐみ2号」で、今年12月にも栽培用種子が発売される。

 かぼちゃは一個の重量が概ね1kgもある。畑では一面につるを伸ばし、実のなる位置がバラバラなため見つけにくく、収穫時に時間や手間がかかることが農家の苦労の種だった。

 そこで農研機構は同社と共同で、節(葉と茎がつながる部分)と節の間が短い短節型の品種で、実のなる位置がそろう「豊朝交1号(栗のめぐみ1号)」を開発してきた。

 今回はさらに安定した短節間性で、株の根元近くで実をつけやすい品種に向けて交配と選抜を繰り返すことで、新品種「栗のめぐみ2号」を育成した。

 新品種は、畑を帯状に覆った黒いマルチフィルムの範囲内で葉が茂るのが特徴。果肉は濃い黄色で、粉質でホクホクした食感の良いかぼちゃだった。

 実を見つけやすく、収穫作業の軽減化が可能となるのが大きなポイント。これは手作業の収穫が楽になると同時に、将来登場するとみられる収穫機械にも十分対応できて利用しやすくなる利点がある。

生育初期のかぼちゃの草姿「栗のめぐみ2号」(短節間性品種)
(提供:農研機構 北海道農業研究センター)