初期宇宙の銀河から星の誕生に関わる中性酸素の輝線を検出―世界最大のアルマ電波望遠鏡で直接観測:千葉大学/早稲田大学/筑波大学
(2026年6月16日発表)
千葉大学、早稲田大学、筑波大学、広島大学の国際研究チームは6月16日、初期宇宙の4つの銀河から放出された「中性酸素の輝線」の検出に初めて成功したと発表した。南米チリにある世界最大の電波望遠鏡による観測で、星が誕生する際の直接的な信号を捉えた。初期宇宙の銀河で星がどのように誕生したかの解明に大きく寄与するとみられる。
夜空に輝く星は、銀河の中で水素原子や水素分子などからなる「中性ガス」が冷えて集まることで誕生すると考えられている。初期宇宙での銀河の成立を解明するには、星の直接の材料となる中性ガスの性質を調べることが不可欠だった。
中性ガスとは、水素原子やヘリウム、中性の酸素や炭素などを含むガスを指す。中でも重要なのが中性水素で、これから出る「21cm線」と呼ばれる信号を電波望遠鏡で探索していた。
今回は宇宙誕生から約7億〜8億年後に生まれたとみられる4つの銀河について、中性ガスの存在を示す輝線[OⅠ]145μm (マイクロメートル、1µmは1,000分の1mm )を検出した。この輝線は初期宇宙の星の形成銀河としては初めての発見で、かつ最も遠方での観測となった。
南米チリのアタカマ砂漠(標高5,000m)に日本、欧州、北米が国際協力で建設した世界最大の電波望遠鏡「アルマ望遠鏡(ALMA)」が観測の舞台となった。
5年前に宇宙空間に打ち上げられたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)でも、可視光線と近赤外線の分野で数々の成果を上げている。しかし、今回のような冷たい中性ガスを直接捉えることは難しかった。
今回の観測で、初期宇宙の銀河からも中性酸素の輝線が観測できることが初めて確かめられた。
より多くの銀河の観測を積み重ねることによって、宇宙が始まった直後の銀河での星の誕生の全体像が明らかにできるものとみている。




