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カビの一種アルテルナリアが術後の鼻ポリープ再発に関与―難治性の副鼻腔炎の網羅的な遺伝子解析で判明:福井大学/筑波大学

(2026年6月9日発表)

 福井大学と筑波大学の共同研究グループは6月9日、真菌感染を伴わない疾患と考えられてきた好酸球性副鼻腔炎(ECRS)の患者の鼻腔内に、多様な真菌が常に存在することがわかったと発表した。

 ECRS患者において、カビの一種のアルテルナリア(Alternaria)が検出された場合には、内視鏡手術後の再発リスクが高く、Alternariaの検出が術後再発の予測因子となることも明らかになったという。

 好酸球性副鼻腔炎ECRSは、鼻腔内にポリープが多発し、重度の鼻づまりや嗅覚障害をもたらす難治性の疾患で、内視鏡副鼻腔手術後も再発率が高いことが課題になっている。これまでECRSは真菌感染を伴わない疾患として分類されており、鼻腔内の真菌と術後再発との関連は明らかにされていなかった。

 共同研究グループは今回、134名の慢性副鼻腔炎患者と対照群34名を対象に、塩基配列を高感度で読み取れる次世代シーケンサーを用いて鼻腔内真菌叢を網羅的に解析した。

 その結果、ECRS患者の鼻腔内に多様な真菌が常に存在していることを見出した。すなわち、真菌の常在が浮上、うち7属が主要真菌として同定された。

 また、ECRS患者において、Alternaria検出例では術後無再発生存率が有意に低く、多変量解析でもAlternariaのみが術後再発の独立した予測因子であることが判明した。

 さらに、Alternaria検出例では鼻ポリープ内の免疫系たんぱく質インターロイキン33(IL-33)の発現が有意に高く、AlternariaがIL-33を介して2型炎症を増悪させ、鼻ポリープの再発を引き起こす可能性が示唆された。

 今回の研究により、ECRSの術後再発においてAlternariaが重要な役割を果たすことが明らかになった。研究成果は、難治性のECRSの術後再発に対する新たな診断戦略の確立と個別化医療の実現への貢献が期待されるとしている。