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瀬戸内海・燧灘(ひうちなだ)の全域で海底活断層調査を初めて実施―大地震の発生場所や地震の規模を推定する:産業技術総合研究所

(2026年5月29日発表)

 (国)産業技術総合研究所は5月29日、瀬戸内海の燧灘(ひうちなだ)の全域で海底活断層を詳細に調査し、これまで見落されていた活断層の存在を確認したと発表した。地震災害リスクを明確化し、今後の被害想定と防災計画に活用する。

 2024年の能登半島地震は海底活断層を震源とする大地震となり、大きな被害をもたらした。

 海底活断層による大地震は日本近海で繰り返し発生しているものの、燧灘とその周辺は国が公表した「長期評価」でも調査の空白域になっていた。

 これは燧灘周辺で網羅的な活断層調査が十分に実施されてこなかったことによる。

 産総研は2022年度から「防災・減災のための高精度デジタル地域情報の整備事業」の一環として、瀬戸内海の周防灘と伊予灘での活断層情報の整備に取り組んだ。

 2025年度からは「沿岸域の地震防災・減災に資する高精度地質情報の整備事業」を始め、空白域となっていた燧灘の全域で詳細な活断層調査を初めて実施した。

 2025年11月から12月にかけて海底面下の地質構造を探るために「反射法音波探査」を実施した。これは海面近くから人工的に音波パルスを発信し、海底面と海底面下の地層境界で反射して海水面へ戻ってきた音波を受信することで、海底の地形、海底面下の地質構造を調べる手法だ。

 この結果、燧灘の西部と東部に海底活断層の存在を確認した。

 断層は25km程度とそれ以上の長さのものがあった。地震の際には断層の北西側が相対的に高まるような「ずれ」が繰り返し起きていたことが明らかになった。

 この結果を基に、燧灘に分布する海底活断層の過去の活動時期と活動頻度を明らかにするために掘削調査を進めることにしている。

瀬戸内海燧灘で確認した海底活断層の分布
(鳥瞰図の垂直方向は5倍に誇張されている。断面図は反射法音波探査による海底面下の地下構造を示す)
(画像提供: 産業技術総合研究所)