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マウスによる宇宙長期滞在実験―生殖能力に顕著な影響見られず:大阪大学/筑波大学/宇宙航空研究開発機構

(2019年9月24日発表)

 大阪大学と筑波大学、(国) 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月24日、国際宇宙ステーションでマウスを長期間飼育して地球に帰還させた実験でオスの生殖能力には顕著な影響が見られないことが分かったと発表した。将来人類が宇宙に活動領域を広げる際に必要な重要な成果が得られたという。

 大阪大微生物病研究所の大学院生の松村貴史さん、野田大地助教、伊川正人教授らの研究グループが、筑波大の高橋智教授らとJAXAとの共同研究で明らかにした。

 実験は、国際宇宙ステーション「きぼう」でゼロGの微小重力環境と地上と同じ1Gの重力環境を比較できる遠心機能付き飼育装置を利用、オスのマウスを35日間にわたって飼育した。その後、無事に地球に帰還させて精子生産能力や精子の授精能力を詳しく調べた。その結果、①地上に生還したマウスの精子生産能力や授精能力が正常であること、②親世代の宇宙滞在が次世代の生育や繁殖に影響しないことが分かった。

 将来、人間が宇宙で長期滞在するようになったとき、重力や放射線量、精神的なストレスの違いなどからさまざまな影響を受けると考えられている。しかし、これまでは適切な飼育装置がないなどの技術的な理由からほ乳動物を用いた実験が難しく、生殖器官への影響はよく分かっていなかった。