ゲノム編集でメロンの日持ちの良さを実現―廃棄リスクを抑え、海外にも安定した輸出が可能に:農研機構ほか
(2026年1月16日発表)
甘い香りで、味も良いと人気の高い高級メロンだが、日持ちの悪さが難点だった。これをゲノム編集技術によって熟成を抑え、長持ちさせることに成功したと1月16日、農研機構と筑波大学、ベンチャー企業のサナテックライフサイエンス(株)が発表した。3年後にも市場に出回るとしている。
国内のメロン生産は、労働力不足や栽培の難しさなどから作付け面積、出荷量ともに減少している。
さらに、熟した後は日持ちしにくいため食べ時を失って廃棄される心配がある。こうしたことから生産者、流通業者などから生産の改良技術が求められていた。
研究グループは、メロンの熟成(追熟)に関わる遺伝子(CmACO1)の存在に注目した。メロンは収穫後に自ら植物ホルモンのエチレンガスを放出し、果肉が柔らかく甘く熟成するものの、傷みも早く商品価値が下がる。
ゲノム編集でこの遺伝子の働きを抑えれば、エチレン合成を止め、日持ちができる。
農研機構などが開発した独自の高効率ゲノム編集技術である「iPB法」を使い、追熟遺伝子の働きを抑えることができた。
このメロンは収穫後1か月以上過ぎても果皮は緑色を保ち、果肉も硬いままだった。
収穫後7日目にこのメロンを高濃度エチレンに丸一日さらしたところ、3日後には果肉が柔らかくなり通常の完熟メロン状態になった。「日持ち」と「食べ頃」を人為的にコントロールできた。
実用化すれば生産者が収穫のタイミングを柔軟に決められる。必要な時に追熟ができる“オンデマンド型”の流通によって海外へ船便での輸送も可能になる。
国内ではメロンの消費は減少しているものの、香港、シンガポール、アメリカなどからの期待が大きい。これまでのようにコストの高い空輸だけに頼らず、市場の拡大が見込めると見ている。



